すきっ歯(空隙歯列)の原因と治療法
歯と歯の間にすき間が開いている状態を「すきっ歯」「空隙歯列」などと呼びます。
すきっ歯の状態は見た目のコンプレックスだけでなく、発音などに影響を与えることもあり治療方法としてはいくつか挙げられます。
ここではそんなすきっ歯の原因や治療法についてみていきましょう。
すきっ歯(空隙歯列)とは
すきっ歯とは、歯列内にすき間が存在している歯並びで、なかでも上の一番前の歯の空隙歯列を“すきっ歯”と表現します。
専門的にはすきっ歯のことを「正中離開(せいちゅうりかい)」と呼び、矯正治療による治療の対象となることが多いです。
すきっ歯(空隙歯列)の原因
すきっ歯の原因は、次の3つに大きく分けられます。
すきっ歯(空隙歯列)の原因1.矮小歯
標準よりも小さい歯を「矮小歯(わいしょうし)」といいます。矮小歯はもともと退化傾向の強い歯に多くみられます。
その他、歯の発育期にビタミンDが不足したり、下垂体の機能が低下したりすることでも生じます。歯のサイズが小さいことで歯列内のスペースが余り、すきっ歯を引き起こします。
すきっ歯(空隙歯列)の原因2.先天欠損歯や歯のない部分がある
私たちの歯は、親知らずを除いて通常の場合には全部で28本生えてきます。そのうちの1~2本が欠けるだけでも歯列内にすき間が生じます。
むし歯や歯周病により歯が抜け落ちた部分をそのままにしておくと、歯が動き歯列内にすき間が生じてしまうことがあります。
また、先天的に歯の本数が通常よりも少ないことで、歯列内にすき間ができることもあります。
すきっ歯(空隙歯列)の原因3.顎や歯列弓に対して歯が小さい
すきっ歯は、歯と顎の骨の大きさのアンバランスによっても生じます。顎の骨が通常よりも大きい場合、スペースが余ることで空隙歯列となることがあります。
また、顎の大きさに対して歯が全体的に小さい場合、相対的にスペースが余ることからすきっ歯となることがあります。
すきっ歯(空隙歯列)による悪影響
すきっ歯を放置すると、次のような悪影響が生じることがあります。
審美的な問題
空隙歯列の中でも上の前歯に現れる「正中離開」は、特に審美的な問題を抱えることが多いです。
上の前歯は笑った時や話したときに目立つ部分であるため、すきっ歯が強いコンプレックスとなってしまう方も少なくありません。
虫歯・歯周病リスクが上がりやすくなる
すきっ歯はその程度にもよりますが、虫歯・歯周病のリスクを上昇させることがあります。
歯列内に不要なすき間が存在することで食べ物が詰まりやすくなったり、プラークがたまりやすくなることがよくあります。
発音が不明瞭になりやすい
すきっ歯に伴いやすい症状のひとつとして、発音障害が挙げられます。歯列内のすき間は“息漏れ”の原因となります。特にさ行などの発音がしづらくなりやすいです。
すきっ歯によって発音が不明瞭になること自体も、コンプレックスになることがあります。
すきっ歯(空隙歯列)の治療法
すきっ歯の治療法をみていきましょう。
ラミネートベニア治療
ラミネートベニアとはセラミック製のシェルを歯の表面に貼り付け歯の形態を整えることで隙間を埋める治療法です。
シェルはセラミック製で透明感もあり、幅広い色味を揃えているため審美性に優れています。セラミックは吸水による変色などの経年劣化の心配がなく、歯並びが元に戻ってしまう後戻りがないことも魅力です。
ラミネートベニア治療は矯正治療のように歯自体を動かす治療ではないため、噛み合わせを根本から改善することはできません。しかしながら歯をあまり削らずに審美的に隙間の改善ができるため、歯を削ることに抵抗のある方にも適しています。
特に、お口の中の一箇所のみに隙間がある場合や噛み合わせや他の歯並び自体には問題がない場合はラミネートベニアでの治療がおすすめです。
ラミネートべニア治療によるすきっ歯治療例
【ラミネートべニア治療前】
【ラミネートべニア治療後】
ラミネートべニア治療2本により、前歯のすき間を解消した方の症例です。
歯並び自体はきれいですが、もともと前歯の間が大きく開いていることをコンプレックスに感じていらっしゃいました。
ラミネートべニア治療により、前歯の幅や大きさをまわりの歯のバランスに合わせながら改善し、すき間を解消しました。
また、周りの歯に合わせてお色のグラデーションや歯の先端部分の透明感・厚みをこまかく調整することで、違和感のないお口元に仕上がりました。
「歯を極力削らずに前歯を整えることができてうれしい」とおっしゃっていただけました。
※自由診療。治療期間、費用、施術の流れ、仕上がりに関しては個人差があります。
副作用(リスク):一時的に歯がしみたり、かみ合わせの違和感を感じることがあります。
ラミネートべニア1本 ¥110,000
仮歯1本 ¥4,000
セラミック矯正
セラミッククラウンはご自身の歯を削った上でセラミックの被せ物を被せることで隙間を埋める方法です。
ラミネートベニアと同様に、セラミッククラウンは吸水による変色などの経年劣化および歯並びの後戻りがない治療法です。
セラミッククラウンを用いた治療法はすきっ歯の治療法の中では歯を最も削る必要がありますが、歯の並びや形態の自由度が高く隙間の改善と同時に歯の形態や色味、歯並びも大きく変えることができます。
歯が小さいことで余分なスペースが存在しているような空隙歯列のケースでも適応可能です。
セラミック矯正によるすきっ歯治療例
【セラミック矯正前】
【セラミック矯正後】
前歯2本のセラミック矯正により、すきっ歯を改善した症例になります。
もともと前歯の間が開いていましたが、セラミック矯正により上下の正中線のラインも整いました。また、ホワイトニングも一緒に併用することで、すきっ歯を改善しながら全体の歯の白さのトーンもアップしました。
治療期間:1カ月半
通院回数:6回
治療内容:セラミック矯正2本+ホワイトニング
副作用(リスク):一時的に歯がしみたり、かみ合わせの違和感を感じることがあります。
自由診療。治療期間、費用、施術の流れ、仕上がりに関しては個人差があります。
セミデザインセラミック1本¥135,000(税込み)
支台歯調整料(コアなど)1本¥15,000(税込み)
クイックホワイトニング12本¥22,000(税込み)
ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディングとは、レジンと呼ばれるプラスチック材料を特殊な接着システムを使用した上で歯に詰めていくことにより隙間を埋める治療法です。
歯に接着システムを用いてレジンを直接詰めていくため、型取りを行う必要がなく、部位や範囲にもよりますが詰める治療自体は1回で終わることが多いため手軽な治療法としては人気があります。
しかしながら、レジンはセラミックと比較すると強度が低く、吸水性があるため変色などの経年劣化を起こしやすいという点があります。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、装置によりご自身の歯に力を加えることにより歯を動かしていく治療法です。装置にはワイヤーやブラケットが用いられます。
また、ワイヤー矯正のなかでも、歯並び全体を動かす全体矯正と歯並びを部分的に動かす部分矯正があります。矯正治療は少しずつ歯を動かしていく治療法なため、症例にもよりますが治療完了まで2年から3年程度の期間が必要となります。
お口の中の複数箇所に隙間がある場合や、根本的に噛み合わせを改善したい場合にも有効な治療法です。
矯正治療後、保定といって歯の位置を定着させるためにマウスピースを装着することで歯並びを定着させます。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを装着することで歯を少しずつ動かす矯正治療です。軽度~中等度の空隙歯列の症例に対しては、比較的相性の良い治療方法になります。
ただし、マウスピース矯正では歯を大きく移動することはできません。そのため、中重度~重度の空隙歯列では適応範囲外となります。
樹脂製のマウスピースは透明で目立ちにくく、食事や歯磨きの際に取り外せるというメリットもあります。
すきっ歯(空隙歯列)の各治療比較表
ラミネートベニア | セラミック矯正 | ダイレクトボンディング | ワイヤー矯正 | マウスピース矯正 | |
歯の形態改善 | ○ | ◎ | ○ | × | × |
治療期間の短さ | ◎ | ○ | ◎ | × | × |
後戻りのしにくさ | ◎ | ◎ | ×(変色や経年劣化あり) | △ | △ |
全体の噛み合わせの改善 | × | × | ×︎ | ◎ | × |
手軽さ | ◎ | 〇 | 〇 | △ | 〇 |
すきっ歯は歯や顎の大きさ、歯の本数の異常によって生じやすい歯並びです。
すきっ歯を改善することでお顔の印象が格段にアップすることも多いだけでなく、発音の改善などさまざまなメリットがあります。
ホワイトホワイトでは、クリニックでの無料カウンセリングやzoomを利用したオンラインカウンセリングにて、患者様お一人お一人に合った治療をご提案しております。
まずはカウンセリングにてご相談ください。