【セラミックの再治療】よくあるお悩みと気になる仕上がりについて
他院で治療されたセラミックの仕上がりが気になり、再治療のご相談をされることがあります。
セラミックの再治療をご希望される方にはどのようなお悩みが多いのか、実際にセラミックの再治療をされた方の症例と一緒に詳しくみていきましょう。
セラミックの再治療でよくあるお悩み4パターン
CERAMIC LIFESPAN
1.まわりの歯に比べてセラミックが厚みがある・大きい
まわりの歯に比べて厚みがあったりセラミックの被せ物が大きいと、全体の歯のバランスと調和せずに不自然な仕上がりになってしまうことがあります。
特に土台やセラミックの裏打ちに金属を使用していると、セラミックに厚みが出やすいです。
土台をメタルフリーのものに交換することで厚みが解消され、まわりの歯の大きさやバランスに合わせやすくなります。
また、セラミックの長さや大きさにおいては、隣接歯や線対称の位置にある歯のバランスに合わせてお作りするとより自然な仕上がりになります。
2.お口もとの突出感
横顔における鼻と顎先を結んだ線のことをEラインといいます。
このEラインよりもお口もとが内側に入っていることが、美しい横顔の条件となります。
セラミック治療を行う際にこのEラインを考慮しないと、突出感のあるお口もとになってしまうことがあります。
また、セラミック治療を行う歯を全体のバランスに合わせながらしっかりと内側に入れるためには、一定以上の高い治療技術が必要となります。
セラミック治療後の厚みや大きさ・治療後の突出感のあるお口もとにお悩みの場合は、審美歯科治療を専門とするクリニックやセラミック治療技術に熟練したドクターに相談されることをおすすめいたします。
3.まわりの歯に比べて不自然なお色味のセラミック
他院で治療されたセラミックが、まわりの歯に比べて不自然なお色味である・まわりの歯に比べて透明感がないといったお悩みでご来院される患者さまも多いです。
もともと天然歯は単一のお色ではなく、歯の根元から先端にかけて微妙なお色のグラデーションがかかっています。また、歯の根元の方はやや濃いお色で先端にいくにしたがって徐々にお色が薄くなり、先端部分には透明感があります。
このような歯1本1本の色彩や透明感をまわりの歯に合わせて再現してあげることが、自然なセラミックに仕上げるために重要です。
4.金属による歯ぐきの黒ずみ
セラミックの土台に金属を使用している場合や、セラミックの裏打ちに金属を使用した被せ物(メタルボンド)では、徐々に金属が溶け出して歯ぐきを黒く染めてしまうことがあります。
また、加齢などによって歯ぐきが下がり内側の黒い土台が露出することで、歯ぐきが黒ずんだように見えてしまうこともあります。
このように歯ぐきが黒ずんで見える状態のことを「ブラックマージン」と呼びます。
ブラックマージンによってお口もとが老けた印象になってしまったり、黒い土台が露出していることで差し歯であることが目立ってしまうことがあります。
金属を一切使用しない白い土台や被せ物に交換することで、ブラックマージンの状態を解消することができます。
実際にセラミックの再治療をした症例ご紹介
CERAMIC LIFESPAN
症例1.前歯2本のセラミック再治療
セラミックの再治療前
セラミックの再治療後
セラミックの再治療前
セラミックの再治療後
【お悩みポイント】
上顎の前歯2本のセラミックの突出感やお色味のマットさ・ブラックマージンがお悩みで来院された患者さまの症例になります。
また、まわりの歯に比べてセラミックが大きく厚みがありました。
金属の裏打ちのある被せ物の場合、金属色を遮断するためにどうしても厚みが必要となります。お色味にも透明感が少なく、マットな印象になりやすいです。
【治療の流れ】
まずは1回目の治療で被せ物を外して金属の土台からメタルフリーの土台に入れ替え、仮歯をお付けしました。
2回目の治療では仮歯の調整を行いました。なるべく内側に前歯を入れたいといったご希望でしたので、土台や仮歯の調整を行い2番目の前歯の位置くらいまでセラミックを内側に入れました。
3回目の治療で仮歯の形態や突出感・大きさなどをご確認いただき、理想的に仕上がった仮歯をもとにセラミックを発注しました。
4回目の治療でセラミックを装着し、一通りの治療が完了しました。
【治療費用・通院回数・治療期間】
通院回数 4回
治療期間 1.5カ月
副作用(リスク):一時的に歯がしみたり、かみ合わせの違和感を感じることがあります。
自由診療。治療期間、費用、施術の流れ、仕上がりに関しては個人差があります。
シンプルデザインセラミック1本¥110,000(税込み)
支台歯調整料(コアなど)1本¥15,000(税込み)
【治療のポイント】
セラミックのお色味や透明感をまわりの歯のバランスに合わせてきめ細かく整えました。
特に、前から2番目の天然歯の先端部分の透明感が強かったため、それに合わせてセラミックの先端も半透明に仕上げました。もともとマットなお色味の被せ物が入っていましたが、まわりの歯のお色味や透明感に合わせてセラミックを作製することで、全体として天然歯と調和したお口もとになりました。
また、治療前の被せ物では歯茎に対して被せ物が盛り上がっていましたが、セラミックを歯茎の内側から立ち上げることで自然な立ち上がりに仕上げました。
土台・裏打ち共にメタルフリーのものに交換することでブラックマージンが改善され、厚みも解消されたことで天然歯と変わらない自然な印象の前歯となりました。
症例2.前歯3本のセラミック再治療
セラミックの再治療前
セラミックの再治療後
セラミックの再治療前
セラミックの再治療後
【お悩みポイント】
前歯3本の被せ物の変色・ブラックマージン・スマイルライン(歯の先端を結んだライン)のがたつきがお悩みでご来院いただいた患者さまの症例です。
スマイルラインとは、歯の先端を結んだラインをいいます。なだらかな曲線を描いていることが、理想的なスマイルラインの条件となります。
また、お口もと全体を今よりも白く仕上げたいとのご希望をいただきました。ホワイトニングとセラミック治療を組み合わせることで、全体のお色をトーンアップすることになりました。
【治療の流れ】
1回目の治療では、まずは全体のクリーニングを行い着色や歯石を落としました。その後、1回目のホワイトニングを行いました。
セラミックの治療においては、被せ物・土台を外してメタルフリーの白い土台を構築し、仮歯を装着しました。
2回目の治療ではホワイトニング2回目と仮歯の調整を行いました。
3本のセラミックは左右で本数が異なるため、線対称に仕上げるために仮歯の調整の工程が重要になります。
歯の形態・大きさ・長さの調整を詳細に行い、左右対称にピッタリと合わせました。
3回目の治療では仮歯の最終確認をしてもらったうえでセラミックの被せ物を発注しました。
4回目の治療でセラミックの被せ物を装着し、セラミック治療が完了しました。
【治療費用・通院回数・治療期間】
通院回数 4回
治療期間 1.5カ月
副作用(リスク):一時的に歯がしみたり、かみ合わせの違和感を感じることがあります。
自由診療。治療期間、費用、施術の流れ、仕上がりに関しては個人差があります。
シンプルデザインセラミック1本¥110,000(税込み)
支台歯調整料(コアなど)1本¥15,000(税込み)
【治療のポイント】
セラミックにするまわりの歯にあらかじめホワイトニングを行い、そのお色味に合わせてセラミックをお作りすることで全体としてお口もとを白く仕上げることができます。
また、土台・裏打ち共に金属を取り除いたことで、ブラックマージンも改善しました。
メタルフリーのファイバーコアは光の下でも透けることがなく、セラミックのお色味がキレイに出やすいことも特徴です。
今回は左右でセラミックの本数が異なるため、左右対称に仕上がるよう仮歯の調整を通常以上に細かく行いました。
なだらかなスマイルラインを描くように歯の先端を設定し、笑った時の下唇のラインに合わせてあげることで上品な印象のお口もとに仕上がりました。
セラミックの形態・お色味・透明感を詳細にまわりの天然歯にあわせることで、天然歯と変わらない自然で美しい仕上がりとなりました。
また、今回遠方からお越しの患者さまであったため、1度のチェアタイムを多めにお取りして最低限の通院回数で治療を進めました。
今回はご相談として多いセラミックの再治療についてご紹介しました。
前歯の厚みや大きさ・お色のグラデーションは、お口もとだけでなくお顔の印象にも深く関係しています。
まわりの歯と調和したセラミックに仕上げることで、話した時や笑った時の印象が格段にアップします。
「違和感のないセラミックの再治療がしたい」「出っ歯になっているセラミックを治したい」など、セラミックの再治療についてぜひお気軽にご相談ください。